太田 敏彦
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本やテレビなどで話題の筋膜リリース。
腰痛に悩む人だったら、筋膜リリースが腰痛に効果があるということを一度は聞いたことがあるかもしれません。
しかし、色々なメディアで、さまざまなやり方が言われているので、何からどのようにやったら良いのか分からない方もいるでしょう。
そこで、今回は、腰痛に効果的な筋膜リリースのやり方や注意点をご紹介していきます。
なぜ筋膜リリースが腰痛に効くのか?
筋膜とは、筋肉を覆っている膜で、身体の姿勢を保ったり、動作を円滑に行なったりする役割を持っています。
そのため、もし例えば同じ姿勢をずっと保っていることで、筋膜がうまく機能しなくなったりすると、身体をうまく動かせずに、腰などの負担が強くなったりしてしまいます。
腰痛の原因は決して一つではありませんが、身体(筋肉や筋膜を含む)が硬くなってしまって、正しい姿勢を取れなくなったり、正しい動作ができなくなったりすることも原因の一つです。
それを防ぐには、筋膜をリリースしてあげることで、筋膜本来の機能を戻してあげることは、腰痛改善においてとても効果的です。
マッサージが筋肉にアプローチしてほぐしていくように、円筒状のポールやフォームローラーを使って筋膜に圧をかけながら、動かしていくことで、こり固まった筋膜をほぐしていき、正常な状態に戻すことができます。
筋膜リリースの基本的な情報や効果については、下の記事をご参考ください。
腰痛に効果的な中臀筋の筋膜リリースのやり方
中臀筋は、お尻の横側にある筋肉です。
そのため骨盤の左右バランスの歪みに大きく関わっています。
腰痛は、骨盤周りの筋肉バランスが崩れていることが原因の一つであることは多いため、このあたりの筋膜リリースをするのはとても有効です。
やり方は、下の写真のように、身体をやや横側に傾けて、中臀筋を狙って、フォームローラーに身体を乗せていきましょう。
そして、フォームローラーを転がしていくことで、中臀筋の筋繊維にそって、筋膜リリースをすることができます。
もし乗ったときに、痛みを感じたりするのであれば、最初は体重をフォームローラーに乗せすぎないように、手で支えるなどして、調節していきましょう。
写真の矢印のように、骨盤を傾けたり、戻したりして、少し角度を変えて行なうこともおすすめです。
左右の感覚の違いなどにも気をつけながら、取り組めるとより腰痛改善にも効果的なので、ぜひやっていきましょう。
腰痛に効果的な大臀筋の筋膜リリースのやり方
中臀筋の次に、お尻のもう一つの筋肉である大臀筋の筋膜リリースのやり方をご紹介していいますね。
お尻の筋肉は、正確には3つあるのですが、先ほどご紹介した中臀筋と今回の大臀筋を意識することが、まずはとても大切になります。
大臀筋は、お尻の後ろ側の筋肉で、歩いたり、走ったり、階段を登ったりなどの、地面を蹴る時に特に使われる筋肉の一つです。
人によっては、上手く使えていなかったり、過剰に使いすぎたりと、負担が大きく変わってくる筋肉のため、対処法は多少変わりますが、それでも一定のケアは必要になってきます。
そういった時に、一人でも手軽にできる筋膜リリースはとてもおすすめです。
では、やり方をご紹介していきますね。
上でご紹介した中臀筋にあてていくやり方と体勢はあまり変わりません。
中臀筋をフォームローラーにあてたように、お尻の後ろ側の大臀筋をあてていけば、基本はOKです。
ただ、下の写真のように、大臀筋をストレッチして伸ばした状態でフォームローラーをあてて、筋膜リリースすることもおすすめです。
それによって、より効果的に筋膜リリースしていくことができるので、ただあてるだけででは、効果を実感できなければ、上のようなやり方を試してみてください。
腰痛に効果的な大腿筋膜張筋のリリースのやり方
大腿筋膜腸筋という筋肉をご存知ですか?
骨盤から、膝にかけて伸びている筋肉なのですが、骨盤周りについているということで、腰痛には大きく関係してくる筋肉です。
特に、腰により近い骨盤側は特に意識して、フォームローラーをあてて筋膜リリースしていくことをおすすめしています。
大腿筋膜腸筋周りの筋膜リリースのやり方は、下の写真の通りです。
身体を真横よりも、やや傾けた状態で、横に置いたフォームローラーに乗って、縦に動かして筋膜リリースしていきます。
この時に、身体の傾き加減を調節したりすることで、出来るだけ幅広くアプローチしていきましょう。
人によっては、あてた時に痛みの感覚がある方もいるかもしれませんが、その時は、腕などで体重を支えながら、強度を調節してください。
下でご紹介していく腸脛靭帯周りの筋膜リリースと合わせてやると、効率的に筋膜リリースをすることができます。
腰痛に効果的な腸脛靭帯の筋膜リリースのやり方
腸脛靭帯は、太もも横側の大きい靭帯になります。
ちなみに上でご紹介した大腿筋膜張筋の下に付着しています。
特にランナーが痛めやすい部位として、知られていることが多いようですね。
この辺りは、椎間板ヘルニアなどの神経症状で、痺れが出て、筋肉が固まってしまっている人もいるため、筋膜リリースをしていくことで、痺れの症状を多少緩和させることも期待できます。
やり方は、太もも横側のラインを狙って、下の写真のように大きく縦に動かしていくようにします。
これは、多くの人がかなり効く(痛い)感じを持つかもしれません。
その場合は、無理せずに出来るだけ手に体重を乗せて、徐々に慣らしていきましょう。
やりすぎるとかえって逆効果のため、往復10回以内を目安に、そのときの感覚と相談しながら行なってくださいね。
腰痛に効果的な太もも前側の筋膜リリースのやり方
では、最後に太もも前側の筋膜リリースのやり方をご紹介していきます。
太もも前側の筋肉というのは、4つに分かれるので、筋膜リリースとしてアプローチしていくときも、骨盤の付け根から膝まで、そして、内側から外側まで意識して行なっていきます。
反り腰からくる腰痛の人は、太もも前側の筋肉が過剰に張っているケースもあるため、心当たりのある方は、取り入れてみてください。
やり方は、身体を下に向けて(うつ伏せで)、片方の太ももをフォームローラーに乗せていきます。
そして、もう一方の足で地面を蹴ったりして、フォームローラーを転がしていきます。
そのため、足は必ず片方ずつ交互に行なっていきましょう。
これも体重が乗りやすいため、痛みを感じる人も多いかもしれません。
その場合は、無理をしないで、腕に体重を乗せたりして、フォームローラーに体重を乗せすぎないようにして、調節していきましょう。
筋膜リリースで腰痛を改善していくために気をつけたい3つのポイント
1.効くポイントで圧を留める
フォームローラーで当てていくときに、どの部位に圧をかけても、必ずしも同じ感覚ということはありません。
圧をかける場所をちょっと変えたり、圧の向きを変えるだけで、感覚は変わります。
つまり、『効くポイント』と『そこまで効かないポイント』が出てくるんですね。
このように感覚が違うのに、どの部位も同じように、ただ転がして、満遍なく圧をかければ良いかというと決してそうではありません。
効くと実感できるところは、できるだけそのポイントでとどまるようにして、その辺りを念入りにほぐしてあげると、腰痛には効果的です。
そもそも効くと実感できるポイントというのは、そこに疲れや負担が溜まっている場合がほとんどです。
その溜まっている疲れや負担を取り除いていくためには、出来るだけそのポイントで圧を留めるようにしましょう。
2.力をできるだけ抜く
さて、筋膜リリースを効果的に行なうポイントの2つめをご紹介していきます。
2つめのポイントは、『力をできるだけ抜く』ということです。
そして、上でご紹介したポイントである『効くポイントで圧を留めている』ときは、特に力を抜くようにしましょう。
これは、マッサージを受けるときをイメージしていただければわかると思いますが、筋肉をほぐすマッサージのときに、力まないですよね?
力んだ状態でマッサージを受けても、筋肉はほぐれません。
それと同じで、筋膜もこわばった状態をほぐしてあげるのが目的なわけですから、圧をかけているときは、できる限り力を抜きましょう。
『効くポイント』にフォームローラーを当てているときの反応は、人によって、本当にさまざまです。
一生懸命ほぐそうとして、力を入れて筋膜リリースしていたり、痛みで身体がこわばっていたり。
筋膜リリースの目的は、固くなった筋膜をほぐすことなので、身体を固めないように気をつけて下さいね。
3.筋膜を引き延ばした状態で圧をかける
さて、最後のポイントをご紹介していきます。
最後のポイントは、『筋膜を引き延ばした状態で圧をかける』ということです。
これは、一つ目の『効くポイント』を探すときに、特に大切になってきます。
筋膜リリースをするときの感覚というのは、『リリースをする場所』だけではなく、『どのような状態でリリースをするのか』によっても変わってきます。
例えば、ストレッチポジションで、筋肉や筋膜をピーンと伸ばした状態で行なうことと、逆に少したるんだ状態で行なうことも、筋膜リリースをするときの感覚は違うんですね。
当然、基本的には、伸ばした状態で筋膜リリースをした方が、圧が入りやすいため、効く実感をもつ可能性は高まります。
ですから、もし効果的に筋膜リリースをしていくのであれば、その部位を引き延ばした状態で当てられないかという視点を持って行なうことが大切になってきます。
ぜひ試してみてください。