太田 敏彦
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一般的に、ストレッチは、柔軟性を上げたり、ケガの予防には効果的だと思われています。
その効果だけ見たら、運動やトレーニング前にやった方がいいと思うかもしれません。
実際に、私たちは学校の体育で運動前に準備運動としてストレッチをしたりしていました。
しかし、ストレッチにもいくつか種類があって、運動や筋トレ前に行なうことでパフォーマンスを下げる種類のストレッチもあります。
そこで、この記事では、どの種類のストレッチを筋トレ前にやるといけないのか、また筋トレ前におすすめのストレッチを具体的にご紹介していきます。
筋トレ前のストレッチは逆効果?筋トレ前にやってはいけないストレッチ
あなたは、ストレッチと聞くと、どんなものを思い浮かべますか?
私もパーソナルトレーニングで指導をするとき、ストレッチをやってくださいねーと時々いいますが、人によってどのストレッチメニューを選ぶか、けっこう違うんですよね。
アキレス腱を伸ばすようなストレッチをする人もいれば、腕を伸ばしてストレッチをする人もいます。
上の写真は、多くの人が持っているストレッチのイメージに近いのではないでしょうか。
実は、これらのストレッチは、「静的ストレッチ」という種類にわかれ、筋トレ前に行なうとパフォーマンスが落ちる可能性があります。
なぜかというと、静的ストレッチというのは、筋肉をゆっくり10秒以上かけて伸ばすため、筋肉が弛緩して(ゆるんで)しまうんですね。
それによって筋力の発揮が通常よりも弱くなるというデータが出ています。
そのため一般的には筋トレや運動前には、この「静的ストレッチ」は、トレーニングの目的にもよりますが、逆効果になることもあります。
ただし、筋トレや運動後にはこの静的ストレッチは、疲労回復効果や柔軟性を高める効果が高まります。
筋トレ後にやりたいストレッチは、こちらの記事で動画も含めて書いていますので、ご参考ください。
筋トレ前におすすめの動的ストレッチとは
一方で、筋トレ前にやっておきたいストレッチもあります。
それは、「動的ストレッチ」という種類のストレッチです。
このストレッチは、「静的ストレッチ」と比べ、パフォーマンスを落とすことなく、怪我のリスクを下げる効果があります。
動的ストレッチは、名前からもイメージできるように、動きながら行なう種類のストレッチですね。
体を動かしながら、ときには反動を使って、筋肉を反射的に伸ばしたりすることで、筋肉の機能性を高めることができるので、筋トレや運動前にやっておきたいストレッチになります。
筋トレ前におすすめの動的ストレッチメニュー9種目を動画付きで紹介
アームスウィング
アームスウィングは、動的ストレッチの中では、最もシンプルなストレッチです。
もしかしたら、あなたも無意識のうちに何度もやったことがあるかもしれません。
反動を使いながら、腕を前と後ろに振っていくタイプの動的ストレッチです。
腕を後ろに振るときに胸が開かれるので、胸の筋肉がストレッチされ、腕を前に振るときに背中の筋肉がストレッチされます。
写真では、肘を多少曲げて行なっていますが、肘を伸ばしたほうが遠心力が働くため、ストレッチ効果は高まります。
立った状態で気軽にできるタイプのストレッチです。
ぜひやってみてください。
ターンショルダーズ
続いて、ターンショルダーズというストレッチをご紹介します。
このストレッチは、いわゆる「肩回し」ですね。
一般的には腕を大きく回すことが多いのですが、腕を回すやり方だと、腕ばかりが大きく動いて、肩甲骨があまり動かないケースも散見されます。
本来動かすべきは肩甲骨や肩関節なので、そのために袖口を掴んで大きく回しましょう。
外回しと内回しを、できるだけ大きな軌道で行ないます。
ヒップヒンジ ・サイドスウィング
もう一つだけ上半身の動的ストレッチをご紹介しますね。
ヒップヒンジ ・サイドスウィングというストレッチです。
これは反動を使うダイナミックストレッチになります。
まず腕を後ろで組み、前屈します。
前屈しても胸を張ったまま腕を後ろに引き上げておきましょう。
そして、腕を左右に振っていきます。
身体が左右に傾くときに、腕の重さを利用して、胸周りの筋肉を効果的にストレッチすることができます。
猫背の方にもおすすめのストレッチです。
ダイナミック・レッグアップ
さて、ここから下半身のダイナミックストレッチをご紹介していきます。
まずは、ダイナミックレッグアップというストレッチです。
太ももの裏側の筋肉であるハムストリングスを伸ばすのにとても効果的なストレッチですね。
サッカー選手や陸上選手が歩きながら、大きく足を上げている光景をみたことはありませんか?
歩きながらでも良いですし、止まった状態で腕を肩の高さに伸ばして、目安にしながら行なうこともできます。
反動を使って足を蹴り上げるので、周りに何もないところでスペースに気をつけながら行ないましょう。
ダイナミック・ニーアップ
続いて、ダイナミックニーアップというストレッチをご紹介します。
こちらは、いわゆる腿上げですね。
これも上でご紹介した「ダイナミックレッグアップ」と合わせて行ないたいストレッチ種目です。
腿上げは、ジョギング前にやったりしている人も多いと思いますが、上半身が反っているケースがとても多いです。
上の写真の横アングルをみていただくとわかると思いますが、できるだけ姿勢は、まっすぐに保ったまま胸の高さを目安に腿上げストレッチをしていきましょう。
ダイナミック・レッグスウィング
ダイナミック・レッグスウィングというストレッチをご紹介します。
これは、上でご紹介したダイナミック・レッグアップに加えて、足を後ろに振る動作も行ないます。
足を後ろに振ることで、股関節のつけ根の前側の筋肉を伸ばすことができます。
足を鞭のようにしならせながら、力を抜きながら反動をうまく使って行なうことでストレッチ効果を高めることができます。
実際にやっているフォームは、この記事のさいごに紹介している動画を見て確認してください。
クロスレッグ・ベンディング
次にご紹介する動的ストレッチは、クロスレッグ・ベンディングです。
これは足をクロスした状態から、前屈していくストレッチです。
前屈していくときに、前側の足をさらに伸ばすため、お尻を横に移動させましょう。
さらにお尻を横に出していくことで、クロスしている足の横側にある腸脛靭帯を伸ばすこともできます。
ですので、まっすぐ前屈するのではなく、横にスライドしながら、前屈するように心がけて行なってください。
こちらも、下で紹介している動画で確認することをお勧めします。
フルスクワット・オープナー
股関節周りの筋肉を伸ばす万能ストレッチをご紹介します。
それが、こちらのフルスクワット・オープナーです。
お相撲さんがよくやっている四股(股割り)に、上半身をツイストしていく動作をすることで、ストレッチしていきます。
まずは太ももが地面と平行になるくらいまで、できればそれよりもやや深めに腰を落としていきます。
そして、つま先をつかみながら、片方の腕を大きく開いていきます。
一連の動作をとおして、背中が丸まらないように、気をつけましょう。
デスクワークが多くなりがちな現代社会では、股関節がどうしても固まりがちなので、積極的に行ないたいストレッチですね。
バックランジ・ツイストストレッチ
いよいよ最後のストレッチですね。
筋トレ前にやっておきたいストレッチで最後にご紹介するのは、「バックランジ・ツイスト」です。
上で紹介したフルスクワット・オープナーと合わせてやっておきたいストレッチです。
まとめ|筋トレ前にやっておきたいストレッチメニュー動画
ここまで筋トレ前にやっておきたいストレッチメニューをご紹介してきました。
基本的には体を動かしながら、大きく可動域をとっていくことがとても大切です。
できるだけ大きく動かしながらも、力みすぎないように気をつけて行なってくださいね。
画像だけだとわかりにくい部分もあるかと思いますし、どうやってプログラムを作っていったらいいかわからない方も多いと思うので、実際に見ながらできるように、動画でストレッチプログラムを作りました。
ここでご紹介しているもの以外の動的ストレッチメニューをいくつかプラスしているので、ぜひ見ながら一緒にやってみてくださいね。