太田 敏彦
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突然ですが、あなたはこんなことで悩んでいませか?
腰痛を少しでも良くするために、いろいろトレーニングを試してきたけど、やはりちゃんとジムでトレーニングをした方がいいのかな・・・
腰痛にいくら筋トレがいいと言っても、悪化するのが怖い・・・
腰痛には、トレーニングをすることが大事と頭ではわかっていても、実際、自分の場合は、トレーニングをした方がいいのか、ジムに通った方がいいのか、どう判断していいかわからない方もいるのではないでしょうか。
ここでは、腰痛を改善していくために、なぜジムで筋トレをした方がいいのか、またどんなメニューがいいのか、そして悪化させないための注意点などをご紹介していきます。
僕自身、トレーナーとして10年以上活動してきて、腰痛に悩む方をサポートしたり、またフィットネスジムに腰痛を改善する目的で通っている方と交流を持ってきました。
そういった経験から、腰痛をより良くするためには、どのようにトレーニングと向き合っていけばいいのかなどのポイントも合わせて解説していきます。
なぜ腰痛の人はジムで筋トレをした方がいいのか?
ジムのトレーニングは負荷の調節がしやすい
一つ目のメリットは、負荷の調節がしやすいということです。
ジムであれば、トレーニングマシンがあるので、たいていのマシンは、負荷の調節がとても簡単です。
ピンを差し込んだりなど、簡単に設定したい重さにすることができるようになっています。
また、ダンベルやバーベルなどのフリーウエイトも細かく重量を設定できるので、「このトレーニングは弱点だから、3kgで・・・」など自分の体力レベルに合わせて、トレーニングをすることができます。
自宅などでは、こういった負荷の調節がしにくいため、正しく成長を促すことがしにくいため、これはとても大きなメリットではないでしょうか。
トレーニングのバリエーションを増やしやすい
トレーニングのバリエーションを増やしやすいのも、腰痛持ちでもジムでトレーニングをした方がいい理由の一つになります。
いつも同じようなトレーニングばかりしていては、トレーニングの効果はだんだんなくなってしまうのは、多くの人がご存知ではないでしょうか。
なぜなら、トレーニングというのは、そもそも身体を丈夫に、健康的なものにするために、負荷をかけて、筋細胞を壊すことだからです。
もし同じトレーニングばかりしていたら、身体はそれに慣れてしまうので、筋細胞を壊すどころか、トレーニングを刺激とすら感じなくなってしまいます。
ほとんどの人がこういった事実を知っているのにもかかわらず、いつもどおりのトレーニングをなんとなくやって、効果を実感できない人が本当に多いんですね。
自宅のトレーニングだと、なかなかトレーニングのバリエーションは組みにくいのですが、ジムであれば選択肢は無数にありますし、正しくレベルアップすることも可能です。
正しい方向性で、トレーニングをレベルアップしていくことで、腰痛に負けない身体を作っていきやすいのは、ジムでトレーニングする大きなメリットの一つです。
トレーニング習慣が身につきやすい
これは、やや人によって分かれるところですが、メリットの一つだと思いますので、一応あげておきますね。
ジムというのは、トレーニングをするためだけの特殊な場所です。
ジムに行きさえすれば、トレーニングをする以外の選択肢はありません。
逆に自宅などは、色々とやることや、することがあるため、よほどの強い意志がないと、自宅でトレーニングというのは、続かない人も多かったりします。
自宅であれば、確かにトレーニングはいつでも手軽にできるという側面もありますが、『いつでもできる』は『いつでもできるから、今はやらない』に変わりやすいんですよね。
その点、ジムは、そんな欠点をある程度カバーできます。
ジムに行くまでには、意志力は必要かもしれませんが、行ってしまえば、何かしら身体を動かさずを得なくなりますので、なかなか運動が続かなかった人は、選択肢としては、有効かと思います。
また、専門のトレーナーも在中していることがあるので、正しいトレーニングを聞くことができる環境にあるというのも、大きいと思います。
腰に痛みがあるということは、少なくとも身体のどこかしらに必ず問題があるので、なんとなくトレーニングをやってしまうと、悪化する可能性もあります。
そういう点でも、腰痛を改善していくために、ジムはとても優れた環境であるというのは、お分りいただけるのではないでしょうか。
腰痛持ちがやっておきたいジムの筋トレメニュー7選
ヒップアブダクショントレーニング
ヒップアダクションは、お尻を鍛えることのできるトレーニングマシンです。
お尻の筋力低下によって、坐骨神経などに圧迫がかかってしまうタイプの腰痛は意外と多いです。
筋力低下が原因となっている腰痛の場合、お尻を正しく鍛えることで改善します。
現代社会において、座り過ぎや運動不足でお尻の筋力低下は多くの人に見られます。
そういったのを考慮しても、やっておきたいトレーニングですね。
また、腰などを動かすわけではないので、腰にもほとんど負担はかかりません。
やり方は、下の写真をご参考ください。
足を開いていくときに、負荷がかかるマシンですが、このときにお尻の筋肉が使われるんですね。
ぜひやってみてください。
レッグプレストレーニング
レッグプレスは、下半身を鍛えるマシンの中で、代表的なトレーニングマシンです。
スクワットに似たような動作をするんですね。
お尻だけではなく、もも裏や太もも前側の筋肉など、脚全体を鍛えることができます。
そのため腰が痛くて、自分の体重でスクワットができるか不安な人であれば、こういったレッグプレスで負荷の軽いところから、徐々に足の筋肉をつけていくのは有効です。
やり方は、下の写真のように、座って、足の筋肉を使って押していきます。
『やる人』や『やり方』によって、上でご紹介したヒップアブダクションよりも、腰に負担がかかることがあります。
腰の様子をみながら徐々におこなってくださいね。
アブドミナルクランチトレーニング
アブドミナルクランチは、腹筋を鍛えることができるトレーニングマシンです。
メーカーによって、若干仕様が異なるのですが、基本的には、背中を丸めていくときに、負荷がかかるような設計になっています。
腰痛の原因の一つに、腹筋群の筋力不足やうまく機能していないといったことがよくあります。
かといって、腰痛持ちの人が腹筋を鍛えようと思っても、そもそも筋力がないために、体重を使う腹筋トレーニングだと、キツすぎてうまくトレーニングできない人も多いのが現状です。
そのようなときに、負荷を軽めに調節することで、少しずつ筋力をつけることのできるマシントレーニングは、一つの選択肢としては十分に効果があります。
やり方は、メーカーによって違いますが、上半身に負荷がかかるように設定して、ゆっくり丸めていくこと。
反動を使ったり、勢いよくやってしまうと、腹筋を鍛えることができない上に、腰にもよくないので、気をつけてくださいね。
ラットプルダウントレーニング
ラットプルダウンは、背中にある広背筋を鍛えるトレーニングマシンです。
背中の筋肉は、普段なかなか使われないため、それによって全体の筋バランスが崩れて、腰痛の原因になっていることもあります。
しかし、そもそも背中の筋肉って、かなり意識してトレーニングしないと、なかなか鍛えることはできません。
自宅などでも鍛えることは、もちろんできるのですが、やはりジムマシンを使ったほうが手軽であることは間違いありません。
ちなみに、背中の自重トレーニングは、こちらの記事をご参考くださいね。
背中を鍛える上で、このラットプルダウンマシンは、とても効果的なマシンです。
動作としては、懸垂の動作を想像していただけると、イメージしやすいのではないでしょうか。
上にあるバー、背中の筋肉を使って、下へ引き寄せていきます。
腕ではなく、背中を使ってトレーニング動作を行なうのがポイントです。
ジムに行ったらマストトレーニングとしてやっておきたいですね。
ローイングトレーニング
上で紹介したラットプルダウンが、上から下に引き寄せていくのであれば、このローイングは横に引き寄せていく背中のトレーニングマシンです。
ジムによっては、ケーブルタイプのマシンもあれば、
そうでないマシンタイプのものもあります。
いずれにしても、横に引くタイプであれば、背中を鍛えられるので、もしあなたのジムにもそういうトレーニングマシンがあれば、積極的にやっていきましょう。
ショルダープレストレーニング
ショルダープレスは、肩を鍛えるトレーニングの一つです。
バンザイする動作に負荷がかかるように作られたトレーニングマシンですね。
肩も背中と似て、意識して鍛えないと、日常生活で衰えやすい筋肉の一つなので、ジムでしっかり鍛えたいところ。
なぜ腰痛の人のおすすめトレーニングとして、ショルダープレスを紹介したのかというと、肩の機能低下によって、腰の負担が強くなることがあるからです。
実際、腰痛の人は、たいてい肩があげにくかったり、正しく上にあげられなかったりします。
そのため、日頃から意識的に動かしておくにこしたことはありません。
やり方は、肩の筋肉を意識しながら、バンザイしていく動作をおこないます。
そこまで難しいトレーニングではないので、肩を意識しながらおこなってくださいね。
ジムのトレーニングで腰痛を悪化させないために気をつけたいこと
ここまで、腰痛の人でもジムでできるトレーニングマシンを、一通りご紹介してきました。
いかがだったでしょうか。
腰痛の人がジムで筋トレをする場合、バリエーションが豊富にあるということや、負荷の調節がしやすいことなど、色々なメリットがあります。
トレーニングに慣れていない人であれば、自宅ではなかなか後回しにしがちなトレーニングも、ジムに行けばやらざるを得ないので、トレーニング習慣を作りやすいといったメリットもあるかもしれませんね。
しかし、ジムでトレーニングをするにあたって、一つだけ押さえておいてほしいポイントを最後にご紹介しておきます。
それは、『ジムに通ったから』また『ジムのマシンを使ったから』腰痛が改善する訳ではないということです。
もしジムに通って、置いてあるトレーニングマシンを使って筋肉がつけば、腰痛が治るのなら、今頃、治療院や整形外科は日本にはないと思いませんか。
つまり、ただトレーニングをして、筋肉をつけたところで、腰痛が必ず改善できるわけではありません。
トレーニングで腰痛を改善させるために、最も大切なことは、『あなたの身体にあったメニュー』を、『体力レベルに合わせた負荷で』『正しくトレーニングして』『正しい方向性でレベルアップしていくこと』。
これだけです。
今回ご紹介したトレーニングマシンのメニューでさえも、もしあなたの腰痛の原因が、筋力が衰えているだけであれば、改善する可能性はあるかもしれません。
しかし、腰痛の原因は、決して筋力が低下だけではありません。
身体の使い方や連動性が間違っていたり、また機能低下していることもあります。
そういった場合、トレーニングマシンよりも、身体の使い方を改善するトレーニング療法的なアプローチも同時に必要になります。
なぜならマシントレーニングでは、筋力しか鍛えることができないからです。
その辺りについては、こちらの記事に詳しく書いてあります。
実際、腰痛を改善したいというご依頼のパーソナルトレーニング指導では、マシントレーニングかなり局所的な使い方しかしていません。
ですので、もしマシントレーニングをおこなっても、なかなか改善しなかったり、少し違和感が出るようであれば、無理に続けてはいけません。
フォームが間違っていたり、そのトレーニングメニュー自体が、あなたの身体にあっていない可能性が高いからです。
ただ、悪化するのが怖いからといって、いつまでもトレーニングしなくていいかというと、そんなことはあり得ません。
トレーニングは、腰痛を改善していく上で、とても大切です。
筋力は、年をとるにつれ低下していくので、筋トレをしない限りは、今以上に悪化してしまうのは、冷静に考えればお分りいただけるはずです。
必要なのは、体力レベルに合わせたトレーニングメニューを、正しくおこなって、正しくメニューや負荷をレベルアップしていくこと。
これをやっていくことだけが、腰痛に負けない健康的な体を作ることができます。
そして、ジムでの筋トレは、それができる環境です。
悪化する怖さに負けて、腰痛などの、いま身体が抱えている問題に蓋をしてしまわないように、そして間違った対策をしないように、気をつけてください。
この記事を読むことで、正しくトレーニングをすることの必要性に少しでも気づいて、早い段階でトレーニングを始めようと思う人が少しでも増えれば嬉しいです。
こちらの記事もトレーニングで腰痛が悪化する人の共通点をまとめてあるので、腰痛に悩む人に意外と読まれているようです。よければぜひ!