太田 敏彦
最新記事 by 太田 敏彦 (全て見る)
- バーピー運動で腰を痛めた人必見!正しいやり方と腰痛予防の3つの方法 - 2022-11-04
- デッドリフトの正しいフォームを解説!腰を痛めないための5つのコツ - 2022-08-14
- これで回復効果UP!デッドリフトで腰を痛めたときの3つの対処法 - 2022-07-06
「デッドリフトをやりたいけど、腰痛になるのが怖い…」
「トレーニングでデッドリフトをやった日は、腰が張りやすい…」
このような悩みは、デッドリフトのトレーニングをやっている人に、よくあるのではないでしょうか。
確かに、デッドリフトは腰痛になりやすいトレーニング種目の一つです。
しかし、腰を痛めてしまうパターンは限られてきます。
この記事では、デッドリフトで腰を痛めてしまうパターンを紹介しながら、腰痛を防ぐための5つのコツを紹介しています。
・腰を痛めてしまう2つのパターンとは?
・腰を痛めないための5つのコツ
デッドリフトで腰を痛めてしまうと、つい敬遠してしまうという人もいるかもしれません。
とはいえ、腰を痛めてしまったから、やらないというのは非常にもったいないです。
なぜなら、デッドリフトは昔から続くとても効果的なメニューだからです。
昔から続いて、今もなおトレーニング3大種目の一つと言われるには、それだけの理由があります。
腰痛になってしまう原因を正しく理解すれば、腰を痛めることなく、そのトレーニング効果を最大限引き出すことができるでしょう。
腰に不安のある方はもちろん、そうでない方も、ぜひご一読ください!
デッドリフトにも2種類あった!?それぞれの特徴を解説
デッドリフトをやる前にまず知っておくべきは、2種類あるということをおさえておきましょう。
それは、通常タイプのデッドリフトとルーマニアンデッドリフトです。
通常タイプがこちらですね。
そして、もう一つが、下の写真の「ルーマニアンデッドリフト」
「持ち上げる」という点においては、どちらも同じですね。
異なる点としては、下の写真を見ればお分かりいただけますが、「上体を傾ける角度」が違います。
ルーマニアンデッドリフトの方が膝を曲げていないため、前傾が大きくなっています。
前傾が大きいということは、背骨に負荷が加わりやすくなるため、腰を痛めやすいというリスクもあります。
しかし、これは裏を返せば、姿勢を維持するために、体幹をしっかり使わなければいけないということでもあるので、体幹のトレーニング効果も期待できるということになります。
一方、通常のデッドリフトでは、前傾をあまりしないため、背骨の負担は、ルーマニアンデッドリフトほどではありません。
そのため重い負荷をかけることができるため、その分身体に刺激を与えることが可能です。
また、前傾しない分、膝が動いてくるため、負担は膝にかかりやすくなるという特徴もあります。
この辺りは、通常デッドリフトも、スクワットもそこまで変わりません。
このように、それぞれのデッドリフトに、メリット・デメリットがあるため、目的にあわせて使いこなしていくことが大切です。
デッドリフトで腰を痛めてしまう2つの原因とは
・腰に負担がかかるフォームでトレーニングしている
デッドリフトで腰を痛めてしまうよくある原因として、間違ったフォームでトレーニングをしていることがあげられます。
もっと正確にいうなら、腰に負担のかかるフォームでトレーニングしているということです。
腰に負担のかかるフォームというのは、特に下のケースが多いです。
・腰が反りすぎている
・バーガ身体から離れている
例えば、ウエイトを上げる時に、腰が丸まったフォームなどは、腰を痛めてしまう典型フォームですね。
腰が丸まっていると、ウエイトはさらにその腰を丸めようと負荷がかかるため、それによって腰椎や椎間板などに過度に負担がかかってしまいます。
逆に、腰を反りすぎているというのも、腰痛の原因になるでしょう。
そもそも背骨には可動域があり、動かせる範囲が決まっているんですね。
必要以上に反りすぎてしまうのも、腰痛の原因になってしまいます。
この辺りは、イメージしやすいところではないでしょうか。
また、意外と見落とされがちですが、バーが身体から離れているフォームも、腰に負荷がかかりやすくなります。
力学的に考えると、ウエイトを身体に近づけるほど、力を出しやすくなるわけですから、バーが身体から離れてしまうと、身体の力を伝えにくくなってしまい、その分腰の負担が増えてしまいます。
それによって、腰を痛めてしましまうので、注意してください。
・適切ではない負荷でトレーニングしている
不適切な負荷でのトレーニングも腰を痛めてしまいます。
つまり、重すぎる負荷でトレーニングをしているということですね。
ここで気になるのは、適切な負荷ってどのように設定したらいいの?と疑問に持たれる方もいるかもしれません。
こればかりは、「人によって違う」としか言いようがありません。
なぜなら人によって筋力レベルも違えば、フォームも違うため、ある人にとっては適切でも、別の人にとっては、適切ではなかったりするんですね。
また、単純に、あまり重いウエイトでなければOKかというと、そういうことでもありません。
本人にとって軽いと感じる負荷でも、フォームが悪ければ、それで腰を痛めてしまうこともあるからです。
そのため知見のある人に指導を受けるのが、一番効果的ではあります。
もし身近に相談できる人がいない場合は、自分で判断していかなければいけません。
判断の仕方については、負荷を上げて行った時に、フォームが崩れていないか、ということに注意すること。
フォームが崩れると、上記で記載したように、腰が丸まったり、反ったりしてしまいます。
また、ウエイトが上がる軌道も普段と変わってしまうこともあります。
ですから、デッドリフトに慣れていって、負荷を重くしたときに、普段のフォームとの違いに気をつけるよにしていきましょう。
デッドリフトで腰痛にならないための5つのコツ
それでは、デッドリフトの正しいやり方をみていきましょう。
まず、どのポジションから始めるかについてです。
デッドリフトは、ウエイトを床に置いて、そこから引いていく「床ひきデッドリフト」が基本にはなるのですが、個人的にはあまりオススメしていません。
その理由は、人によって身体の可動域が違うため、床から行っても大丈夫な場合もあれば、身体が硬い場合は、負担が強すぎる場合もあるからです。
そのため、立位でウエイトを持った状態から、身体を前に傾けていく動作から始めるようにしましょう。
この時のポイントは3つです。
・背中はまっすぐに保つ
・重心をずらさない
最初の2つは、前の章で説明しましたね。
ウエイトが身体から離れてしまったり、背中が反りすぎたり、丸まってしまうと腰の負担が増大するということでした。
最後の「重心をずらさない」というのは、立位のスタート時点から、身体を傾けていくときのポイントです。
よくやってしまいがちなのが、下の写真のように、後ろに重心をずらしてしまうフォームです。
これも、腰を痛めるポイントになるので、気をつけてください。
この3つのポイントに気をつけるだけで、かなり腰の負担を減らすことができます。
そして、次に身体を起こしていく時のポイントを2つ紹介しますね。
・身体を起こそうとしないこと
この2つについて、少し説明をしていきます。
まずひとつめの「いきなり力を入れないこと」については、持ち上げる瞬間にいきなり力を入れるのは、腰にとってかなり危険なんですね。
一気に持ち上げるということは、ウエイトの重さ以上の力を瞬間的に出すということです。
そのためには、瞬時に股関節のパワーと体幹のキープ力を最大化させなければいけないため、よほど経験を積んで、その上ウォーミングアップをしっかりしておく必要があるんですね。
筋トレ初心者や中級者の方でも、なかなか難しいスキルになるので、最初のうちは、負荷を感じながら、適切なスピードで無理をしないことをお勧めします。
そして、もう一つの「身体を起こそうとしないこと」というコツについて説明していきますね。
身体を起こしていくはずなのに、なぜ「身体を起こそうとしない」のが大切かというと、身体を起こそうという意識でトレーニングをすると、必要以上に背中の筋肉を使ってしまうからです。
では、どうすればいいのか。
身体を起こそうとする意識ではなく、地面をぐっと押していく意識を持っておこないましょう。
そうすることで、背中を過剰に使うということは防ぐことができます。
そもそも背骨(特に腰)は、可動域が元々少ない構造になっています。
そのため無理に反らそうとすると、腰を痛めてしまうので、気をつけてください。
基本的なやり方は以上になります。
デッドリフトは、すごくシンプルな動きのように見えるのですが、トレーニングの中でもかなり奥深いメニューです。
慣れるまでは、重すぎるウエイト負荷をかけずに、練習期間を設けるのも、必要になってきます。
ぜひ、ここで紹介した腰を痛めないための5つのコツをおさえながら、正しい方向性で練習していきましょう。